2020年に発覚し、世間に大きな衝撃を与えた「開成高校なりすまし登校問題」。
開成高校の入学試験に合格した男子生徒とは別の少年が、合格者の名前を使ってオンライン授業や対面授業を受けていたという、極めて異例の出来事でした。
発覚当時は、合格者となりすましていた少年の関係性や登校した目的が公表されておらず、インターネット上ではさまざまな憶測が飛び交いました。
ところが2026年7月10日、東大卒YouTuber「あきぴで」さんが公開した動画に、当時なりすまし登校をしていた本人だと名乗る男性が出演。合格者は2歳下の弟であり、母親から開成高校へ通うよう指示されたと語りました。
ただし、動画出演者が当事者本人であることや、家族に関する証言のすべてを、開成学園や第三者機関が公式に確認したとの発表はありません。
この記事では、2020年当時の報道で確認された事実と、2026年に公開された動画で男性が語った内容を分けながら、母親の顔画像や経歴、父親の職業、教育方針をめぐる疑問を整理します。
- 2020年に発覚した開成高校なりすまし登校問題の経緯
- 当事者を名乗る男性が語った母親の指示と教育方針
- 母親の顔画像や経歴と父親の職業に関する公表状況
- 確認済みの事実と本人証言やネット上の推測の違い
開成高校なりすまし登校問題とは
合格者とは別の少年が授業を受けていた
問題が発覚したのは2020年です。
開成学園によると、同年2月10日に実施された開成高校の入学試験では、受験票の顔写真と受験生本人の顔を各教科の試験前に照合していました。
実際に入試を受けて合格した男子生徒は、2月16日の合格者説明会にも本人が出席していたと報じられています。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大によってオンライン授業が中心となり、6月29日から対面授業が再開されました。しかし、授業を受けていたのは合格者本人ではなく、別の少年でした。
7月下旬になっても出身中学校から指導要録が届かなかったため、開成高校が中学校に問い合わせたところ、合格者は別の高校に通っていたことが判明。学校側は合格者を除籍処分とし、実際に登校していた少年を校内立ち入り禁止としました。
この問題は入試を別人が受けた「替え玉受験」ではなく、合格後に別人が授業へ参加した「なりすまし登校」だった点が特徴です。
2026年に当事者を名乗る男性が動画出演
事件から約6年が経過した2026年7月10日、YouTubeチャンネル「チェリー東大/あきぴで」に、当時なりすまし登校をしていた本人だと名乗る男性が登場しました。
男性から「あきぴで」さんへ連絡したことをきっかけに、インタビューが実現したとされています。
動画内で男性は、開成高校に合格した生徒は2歳下の実の弟であり、自身は当時17歳だったと説明しました。
兄弟は幼い頃から双子に間違われるほど顔立ちが似ており、それが対面授業の開始後も別人だと気付かれにくかった理由の一つだったと振り返っています。
ただし、開成学園が今回の出演者について「当時登校していた人物本人である」と公式に認めたとの情報は確認できていません。
そのため、以下で紹介する家族関係や動機については、あくまで動画出演者本人による説明として捉える必要があります。
開成なりすましの母親は誰?
母親の名前や顔画像は公表されていない
2026年7月12日現在、母親の次のような個人情報は、信頼できる報道や公式資料では確認できません。
- 氏名
- 年齢
- 顔画像
- 出身地
- 勤務先
- 学歴
- 職業
2020年当時の報道では、合格者となりすましていた少年だけでなく、保護者についても匿名で報じられていました。
2026年の動画でも、出演男性は母親の具体的な名前や顔画像、勤務先などを明かしていません。母親は芸能人や政治家などの公人ではなく、一般人とみられるため、個人を特定しようとする行為には注意が必要です。
SNSや匿名掲示板に母親の経歴や居住地域に関する書き込みがあったとしても、裏付けのない情報を事実として扱うことはできません。
同姓同名の無関係な人物への誹謗中傷やプライバシー侵害につながる可能性もあるため、母親の名前や顔画像を推測することは避けるべきでしょう。
「母親が黒幕」という表現は正確ではない
動画公開後、一部のネット記事やSNSでは「母親が黒幕だった」とする表現が使われています。
しかし、「黒幕」という言葉には、事件を裏で計画・主導した人物であることを断定する強い意味があります。
現時点で確認できるのは、出演男性が動画の中で「母親から開成高校へ行くように言われた」と説明したことです。
母親本人への取材や、家族のほかの人物による証言は確認されていません。そのため、記事では「母親が黒幕だった」と断定するのではなく、次のように表現するのが適切です。
当事者を名乗る男性は、なりすまし登校が母親の指示だったと説明している
男性の証言が事実であれば、母親が登校のきっかけを作った可能性はありますが、具体的な計画や手続きに誰がどの程度関与していたのかまでは明らかになっていません。
母親はなぜ開成高校へ通わせたのか
「開成を予備校のように考えていた」と証言
出演男性によると、男性は当時通っていた高校を退学し、高等学校卒業程度認定試験に合格した後、自宅で過ごしていました。
その際、母親から突然、弟の代わりに開成高校へ通うよう言われたと説明しています。
母親の目的は開成高校の卒業資格を得ることではなく、質の高い授業や教材、教師がそろう環境で男性を勉強させ、難関大学へ進学させることだったといいます。
男性は、その考え方について、母親は開成高校を「予備校のように捉えていた」と振り返りました。
ただし、これは母親本人が公の場で語った考えではありません。
母親が実際にどのような目的や認識を持っていたのかは、男性の証言以外に確認できる資料がないため、断定はできません。
母親の学歴や学歴コンプレックスは不明
母親が子どもの進学先を重視していたという男性の証言から、「母親自身も高学歴なのではないか」「学歴コンプレックスがあったのではないか」と推測する声もあります。
しかし、母親本人の学歴や学生時代、職歴は公表されていません。
子どもが難関高校に合格したという事実だけで、親も高学歴であると判断することはできません。また、東大理科三類への進学を望んでいたという証言だけで、母親に学歴コンプレックスがあったと結論付けることもできません。
母親について現時点で書けるのは、あくまで男性が次のように説明したという範囲です。
- 子どもの学歴を重視していた
- 難関大学への進学を望んでいた
- 開成高校を勉強するための環境として考えていた
- 男性に開成高校へ通うよう指示したとされる
母親の心理状態や過去の経歴まで踏み込むのは、根拠のない人物評価になってしまいます。
母親は東大理三に固執している?
男性は母親を「理三モンスター」と表現
動画では、開成高校に合格した弟の現在についても語られました。
出演男性によると、弟は2026年時点で21歳になり、医学部を目指して浪人を続けているといいます。
さらに男性は、母親が弟を東京大学理科三類に合格させることに強くこだわっているとして、母親を「理三モンスター」と表現しました。男性自身も、現在まで母親から大学へ進学するよう言われていると話しています。
ただし、弟本人は動画に出演しておらず、現在どの大学や学部を志望しているのか、本人がどのような進路を望んでいるのかは確認できません。
弟が自ら医学部を目指している可能性も否定できないため、「母親が無理やり浪人させている」「弟の進路を完全に支配している」とまで断定することは避ける必要があります。
教育虐待に当たる可能性はある?
現時点では教育虐待と断定できない
動画で語られた内容を受け、SNSやコメント欄では「教育虐待ではないか」と心配する意見が見られました。
一般的に「教育虐待」という言葉は、保護者が子どもの能力や許容範囲を超えて勉強を強要したり、成績や進学先を理由に精神的な圧力を与えたりする状況を指す際に使われます。
一方、法律上の児童虐待は、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4種類に分類されています。こども家庭庁は、心理的虐待の例として、言葉による脅し、無視、きょうだい間の差別的な扱いなどを挙げています。
出演男性は、当時は勉強が好きではなく、開成高校にも通いたくなかったものの、未成年で母親と同居していたため逆らえなかったと説明しました。
この証言が事実であれば、本人の意思に反する進路を強く求められていた可能性はあります。
しかし、家庭内で具体的にどのような言葉や行為があったのか、暴力や脅迫、監視などがあったのかは明らかになっていません。
専門機関がこの家庭を教育虐待と認定した事実も確認できないため、現時点では「教育虐待を疑う声がある」とするにとどめるのが妥当です。
教育熱心との違いは子どもの意思や負担
保護者が子どもの学習を支援し、難関校への進学を応援すること自体が問題なのではありません。
重要なのは、子ども本人の意思が尊重されているか、過度な精神的・身体的負担が生じていないかという点です。
本人が望んでいない進路を一方的に決めたり、成績や合否によって人格を否定したりする状況が続けば、子どもの心身に大きな影響を与える可能性があります。
今回の件についても、ネット上の情報だけで家庭内のすべてを判断することはできません。刺激的な言葉で家族を断罪するのではなく、本人の意思や生活状況を慎重に見極める必要があります。
父親の職業は何?
医師や会社経営者という根拠はない
父親についても、母親と同様に氏名、年齢、顔画像、学歴、職業などは公表されていません。
ネット上では「父親は医師ではないか」「会社経営者などの高所得者ではないか」といった推測が見られますが、裏付けとなる報道や公式資料は確認できません。
開成高校や医学部を目指す家庭だからといって、父親が医師であるとは限りません。
また、兄弟が難関校を受験していることだけを根拠に、「一般家庭では支払えないほどの教育費をかけていた」「父親は相当な高収入だった」と断定することもできません。
塾や家庭教師をどの程度利用していたのか、家計からどれほどの教育費を支出していたのかは明らかになっていないためです。
したがって、父親の職業についての結論は、次のとおりです。
父親の職業は公表されておらず、医師や会社経営者だと裏付ける情報もない
父親は「教育面では放任主義だった」と証言
出演男性は動画の中で、父親について「放任主義だった」と説明しています。
母親が子どもの学歴や進路に強く関与していた一方、父親から教育面について何か言われることはほとんどなかったという趣旨の発言です。
しかし、父親がなりすまし登校の計画を事前に知っていたのか、同意していたのか、発覚後にどのような対応をしたのかは明らかになっていません。
そのため、「父親も黙認していた」「母親の暴走を見て見ぬふりした」と断定することはできません。
動画から確認できるのは、あくまで出演男性が、父親の教育方針を放任主義だったと受け止めていることまでです。
なりすまし登校は犯罪だった?
2020年当時、開成高校は合格者を除籍とし、実際に登校した少年を校内立ち入り禁止としました。
一方で、この問題について少年や家族が逮捕、起訴されたとの報道は確認できません。
他人の名前を使って書類を作成した場合や、学校側を欺いて校内へ立ち入った場合には、具体的な行為によって法的問題が生じる可能性があります。
しかし、実際にどの書類を誰が作成したのか、学校への入構手続きがどのように行われたのかは公表されていません。
したがって、「犯罪者だった」「犯罪行為が確定している」と書くのではなく、学校から重大な処分を受けた不適切な行為だったと説明するのが適切でしょう。
なりすまし登校をした男性の現在
出演男性によると、問題発覚後は都立日比谷高校を受験し、18歳で高校1年生として入学したといいます。
しかし、その後は次第に学校へ通わなくなり、最終的に退学。大学には進学せず、ドッグトレーナーや飲食店、ホスト、地下アイドルなど、さまざまな仕事を経験したと語っています。
2026年現在は、クロスバイクやロードバイクなどを扱うスポーツ自転車関係の仕事に就いていると説明しました。
動画では顔を出して当時の出来事を語っていますが、本名や勤務先など、現在の生活に直結する詳しい個人情報は公表されていません。
ネット上では兄弟を心配する声も
動画公開後のコメント欄やSNSでは、母親の教育方針に驚く声のほか、兄弟の精神的な負担を心配する意見も投稿されました。
特に、弟が現在も医学部を目指しているという男性の証言に対して、「本人が望む進路を選べているのか心配」「兄弟がそれぞれ自分の人生を歩めるとよい」といった反応が見られます。
一部では、過去に起きた医学部受験をめぐる別の家庭事件と比較する投稿もあります。
しかし、今回の家庭について確認できている情報は限られており、別事件と直接結び付けたり、将来的な事件の発生を予測したりするのは適切ではありません。
ネット上の反応を紹介する際にも、家族を一方的に非難する投稿や、危険な結末を想像するコメントを過度に取り上げない配慮が必要です。
まとめ
開成高校のなりすまし登校問題では、2026年7月、当時登校していた本人だと名乗る男性がYouTube動画に出演しました。
男性は、合格者が2歳下の弟だったことや、母親から開成高校へ通うよう指示されたこと、母親が難関大学への進学を重視していたことなどを語っています。
一方で、母親の顔画像や名前、年齢、学歴、職業は公表されていません。父親の職業についても、医師や会社経営者であると裏付ける情報は確認できませんでした。
また、男性が語った内容について、母親や父親、弟、開成学園などによる独立した裏付けが示されたわけではありません。
現時点で確認できるポイントは次のとおりです。
- 2020年に開成高校で合格者とは別の少年が授業を受けていた
- 合格者は除籍となり登校していた少年は立ち入り禁止になった
- 2026年に当事者を名乗る男性がYouTubeへ出演した
- 男性は合格者が2歳下の弟だったと説明した
- 男性は母親から開成高校へ通うよう指示されたと語った
- 母親の名前や顔画像、学歴、職業は公表されていない
- 父親の職業や具体的な関与も明らかになっていない
- 教育虐待と認定された事実は確認できない
- 弟本人が希望する進路や現在の生活状況は不明
- 家族への根拠のない特定や職業の推測には注意が必要
今回の動画によって、それまで不明だった背景の一部が語られましたが、出演男性の証言だけで家族全員の人物像や家庭環境を断定することはできません。
確認された事実と本人の証言、ネット上の推測を区別し、一般人である家族のプライバシーにも配慮しながら情報を見ることが重要です。
