芳情と厚情の違いと使い分け!葬儀やビジネスでの正解を解説

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芳情と厚情の違いと使い分け!葬儀やビジネスでの正解を解説
コトモノナビ作成・イメージ

「芳情」と「厚情」、どちらもお礼状や挨拶でよく見かける言葉ですが、いざ自分が使うとなると「どっちを使えばいいの?」と迷ってしまいますよね。特に葬儀やビジネスシーンでの言葉選びは、相手への敬意を表す大切なマナーですから、間違いや失礼がないか不安になるのも当然です。この記事では、それぞれの言葉が持つ意味の違いや、喪中や退職といった具体的な場面での正しい使い分けについて、私自身の経験も踏まえながらわかりやすく解説していきますよ。

記事のポイント
  • 芳情は「心の美しさ」を、厚情は「恩義の深さ」を表す違いがあること
  • 葬儀の礼状では芳情、喪中や退職の挨拶では厚情が適していること
  • 社内の上司への使用や二重敬語など避けるべきNGマナーについて
  • ご高配やご厚誼などビジネスで役立つ類語との使い分け基準
目次

芳情と厚情の違いとは?意味と使い分け

まずは、この二つの言葉が根本的にどう違うのか、その核心部分を見ていきましょう。漢字のイメージ通りといえばそうなのですが、実は「何を褒めているか」というポイントが少しだけズレているんです。ここを理解すると、どんな場面でも迷わなくなりますよ。

芳情と厚情の意味と由来の比較

「芳情(ほうじょう)」と「厚情(こうじょう)」、どちらも相手の親切心や思いやりを敬って言う言葉ですが、漢字の成り立ちを見ると面白い違いが見えてきます。

まず「芳情」ですが、これは「芳(かんば)しい」という字が使われていますよね。花の香りが良いことや、評判が良いことを指す言葉です。つまり、相手の心遣いを「香りが立つように美しく、素晴らしいもの」として称賛するニュアンスがあります。相手の行為の「質(美しさ)」に焦点を当てているわけですね。

一方で「厚情」は、「厚(あつ)い」情けです。これは物理的な厚みや、程度が甚だしいことを意味します。相手が自分にかけてくれた情けが、一時的なものではなく「深く、重みがあり、量的にたっぷりある」ことに感謝する言葉なんです。こちらは、恩義の「量(深さ)」に焦点を当てています。

ここがポイント!

  • 芳情:相手の心遣いの「美しさ・快さ」を敬う(Quality重視)
  • 厚情:相手の思いやりの「深さ・重み」に感謝する(Quantity/Depth重視)

葬儀や告別式の礼状での使い分け

この二つの違いが一番はっきりと出るのが、冠婚葬祭、特に葬儀の場面です。結論から言うと、葬儀や告別式の会葬礼状では「芳情」を使うのが一般的です。

なぜなら、葬儀に参列してくれたり、お焼香をしてくれたりする行為は、その瞬間の具体的で美しい「心遣い」だからです。「わざわざ足を運んでくれた」という相手の行為そのものを「芳しいもの」として敬うんですね。また、「芳」という字が持つ「香り」のイメージが、お線香や供花といった葬儀の要素と相性が良いという側面もあるかもしれません。

実際、会葬礼状の定型文では以下のような表現が圧倒的に多いですよ。

よくある会葬礼状のフレーズ
「ご多用中のところ態々ご会葬くださいまして、ご芳情誠にありがたく…」

喪中や年賀欠礼は厚情が適切

では、同じ弔事に関わるものでも、年末に出す「喪中はがき(年賀欠礼状)」はどうでしょうか。ここでは一転して、「厚情」が使われることが多くなります。

喪中はがきは、単に「葬儀に来てくれてありがとう」というだけでなく、「生前(あるいは今年一年)、故人や私たち家族が長い間お世話になりました」という、期間の長さや恩の深さを総括して感謝するものだからです。

「生前のご厚情に深く感謝申し上げます」というフレーズ、よく見ますよね。これは「長い間、深い情けをかけてくれてありがとう」という意味なんです。もちろん「芳情」を使っても間違いではありませんが、一年の締めくくりや生涯の感謝を伝える場面では、「厚情」の方がその「重み」を伝えやすいと言えるでしょう。

退職や異動の挨拶で使う言葉

ビジネスパーソンにとって避けて通れないのが、退職や異動の挨拶です。この場面でも、やはり「厚情」が主役になります。

退職や異動の挨拶状は、在職中という長い期間にわたって受けた支援や指導への感謝を伝えるものです。ここでも「期間の長さ」と「恩の深さ」がキーワードになるので、「厚情」がピッタリなんですね。

また、面白いのが「過去」と「未来」での使い分けです。

対象適した表現ニュアンス
過去の感謝ご芳情、ご懇情具体的な指導や温かい配慮の「質」への感謝
未来のお願いご厚情これからも変わらぬ「深い」お付き合いを願う

このように、「今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう」と結ぶことで、これまでの関係性が深く、これからも続いていくことを願う気持ちを表現できるんです。

御芳志や御厚志との関係と違い

似たような言葉で、「御芳志(ごほうし)」や「御厚志(ごこうし)」という言葉を見かけることもありますよね。これは主に、「お金(香典や寸志)」や「品物」を頂いた時に使う言葉です。

「情(こころ)」ではなく「志(こころざし)」という字が使われている通り、相手の具体的な支援の意思(多くの場合、金品)を指します。

  • 御芳志:香典やお祝い金を頂いた時のお礼状でよく使います。「頂いた美しいお志」というニュアンスです。
  • 御厚志:こちらも金品への感謝に使いますが、「厚」の字が入るため、多額の寄付や手厚い支援を受けた際などに使われることもあります。

注意点
お金を頂いたことへのお礼状で、単に「ご芳情」や「ご厚情」だけだと、金品への感謝が伝わりにくい場合があります。「ご芳志」や「お心遣い」といった言葉を添えるのがマナー上級者ですよ。

例文で学ぶ芳情と厚情の違いと注意点

ここからは、実際にそのまま使える例文や、間違いやすいNGポイントについて解説していきます。特にビジネスメールで使う時は、相手との距離感を間違えないように注意が必要です。

感謝を伝えるメールや手紙の例文

状況に合わせた使い分けの例文をご紹介します。コピーして微調整すればすぐに使えますよ。

【葬儀のお礼(会葬礼状)】
「亡父の葬儀に際しましては、ご多用中にもかかわらずご会葬を賜り、ご芳情誠にありがたく厚く御礼申し上げます。」

【喪中はがき】
「本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますと共に、明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます。」

【退職の挨拶】
「在職中は公私にわたり格別のご芳情をいただき、心より感謝申し上げます。末筆ながら、皆様の今後のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。」

目上や社内上司への使用はNG

ここで一つ、絶対に気をつけてほしいルールがあります。それは、「ご厚情」や「ご芳情」は、社内の上司には使わないということです。

これらは非常に格式高い「漢語的な敬語」なので、社外の取引先や恩師など、ある程度距離がある目上の人に使う言葉です。身内である直属の上司に使うと、「他人行儀だな」とか、最悪の場合「慇懃無礼(丁寧すぎて逆に失礼)」と受け取られかねません。

社内の上司にはこう言い換えよう!

  • × 平素よりご厚情を賜り…
  • ○ 平素より温かいご指導をいただき…
  • ○ いつもお心遣いいただき…

ご厚情のお気持ちは重複表現

丁寧な言葉を使おうとするあまり、やってしまいがちなのが「重複表現(二重表現)」です。よくある間違いが「ご厚情のお気持ち」という表現。

「情」という漢字自体に「気持ち」という意味が含まれていますよね。なので、「ご厚情のお気持ち」と言うと、「厚いお気持ちのお気持ち」と言っていることになってしまいます。これはちょっと恥ずかしいですよね。

同様に、「深いご厚情」も、「厚」に「深い」という意味が含まれているので、厳密には重複です(強調表現として許容される場合もありますが、避けたほうが無難です)。

シンプルに「ご厚情に感謝いたします」や、強調したいなら「格別のご厚情」とするのがスマートです。

返信ハガキのご芳名の消し方

結婚式の招待状や葬儀の返信ハガキで、「ご芳名」という欄に自分の名前を書くことがありますよね。この時、「ご芳」を消すのがマナーですが、消し方にもちょっとしたコツがあります。

基本は定規を使って二重線で消すこと。これで十分マナーに適っています。

ただ、結婚式のようなお祝い事(慶事)では、二重線ではなく「寿(ことぶき)」という朱色の文字を上書きして消すという高等テクニックもあります。「消す」という行為さえもおめでたい文字で飾ってしまおうという、日本人の粋な美意識ですね。

豆知識:当日の記帳では?
葬儀や結婚式の当日、受付で書く「芳名帳」や「芳名カード」の場合は、受付の流れを止めないことが優先されるため、「ご芳」を消さずにそのまま名前を書いてもマナー違反にはなりません。

ご高配など類語の言い換え

ビジネスメールの冒頭挨拶で、「ご厚情」だとちょっと重すぎる…と感じることはありませんか?そんな時に便利なのが「ご高配(こうハイ)」です。

  • ご高配:高いところからの配慮、心配り。「平素は格別のご高配を賜り…」という定型句で、日常的なビジネスメールに最適です。
  • ご厚誼(こうぎ):厚いよしみ、親しい付き合い。「ご厚情」とセットで「今後とも変わらぬご厚誼を」と使われることが多いです。
  • お心遣い:和語(大和言葉)なので、柔らかい印象を与えます。個人的な贈り物へのお礼などでは、漢語の「ご厚情」よりもこちらのほうが温かみが伝わります。

芳情と厚情の違いまとめと活用法

最後に、芳情と厚情の違いについて要点をまとめておきましょう。これで、いつどんな挨拶状を書くことになっても安心ですね。

用語イメージ最適なシーン
芳情香るように美しい心遣い(質)葬儀の礼状、その場の親切への感謝
厚情深く厚みのある思いやり(量・深さ)喪中はがき、退職挨拶、年賀状

言葉は、単なる記号ではなく、相手への敬意を乗せる器です。「芳情」の持つ美しさへの敬意、「厚情」の持つ深さへの感謝。このニュアンスの違いを理解して使い分けることができれば、あなたの気持ちはより深く、正確に相手に伝わるはずですよ。

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