トラッキング拒否はオンとオフどっち？ポイ活と設定の正解を解説

iPhoneやAndroidを使っていると、突然表示される「トラッキングを許可しますか？」というポップアップに戸惑った経験はありませんか。トラッキング拒否についてオンとオフどっちを選ぶべきか、あるいはそれぞれの意味やメリットとデメリットが分からず、とりあえず拒否している方も多いかもしれません。特にポイ活をしている方にとっては、この設定ひとつでポイントが反映されないという悲劇が起きることもあるため、非常に重要です。サイト越えトラッキングやグレーアウトして設定できない場合も含め、私たちが直面する設定の悩みについて一緒に見ていきましょう。

トラッキング拒否はオンとオフどっち？基本と意味

スマホを使っていると頻繁に遭遇するこの選択肢ですが、そもそも何を聞かれているのか、どちらを選ぶとどうなるのか、根本的な部分が少し複雑ですよね。ここでは、私たちが普段何気なく目にしているトラッキングの仕組みや、iPhoneとAndroidそれぞれの設定方法について、基本から整理してみたいと思います。

・トラッキングとは？許可と拒否の意味を解説
・iPhoneでAppからの要求を許可する設定
・Androidの広告ID削除と設定の手順
・サイト越えトラッキングを防ぐ設定との違い
・トラッキング許可のメリットとデメリット

トラッキングとは？許可と拒否の意味を解説

まず最初に、「トラッキング」という言葉が少し怖い響きを持っていますが、これは簡単に言えば「アプリやWebサイトをまたいで、あなたの行動をつなぎ合わせる仕組み」のことです。

例えば、あるショッピングアプリでスニーカーを見た直後に、別のニュースアプリを開いたらそのスニーカーの広告が出てきた、なんて経験はありませんか？これがまさにトラッキングの効果です。スマホには「広告識別子（IDFAやAAID）」という、端末ごとの名札のようなものがついていて、企業はこの名札を使って「あ、さっきスニーカーを見ていた人だ」と認識しているんですね。

この名札（広告ID）は、名前や住所といった個人情報とは紐付いていません。あくまで「この端末を使っている人」という認識をするための記号です。

ここで「許可（オン）」を選ぶということは、この名札を見せることをOKするという意味になります。逆に「拒否（オフ）」を選ぶと、名札が白紙（あるいはアクセス不可）になり、企業側はあなたが誰なのか、さっき何をしていたのかが分からなくなります。

つまり、「どっち？」という問いは、「自分の興味に合った広告を出してもらうためにデータを提供するか、プライバシーを守るためにデータを隠すか」という選択を迫られているわけです。

iPhoneでAppからの要求を許可する設定

iPhoneユーザーにとってお馴染みなのが、iOS 14.5から始まった「App Tracking Transparency（ATT）」という仕組みです。アプリを初めて開いた時に「他社のAppやWebサイトを横断してあなたのアクティビティを追跡することを許可しますか？」と聞かれますよね。

この設定は、あとからまとめて変更することも可能です。私がよく確認している手順をご紹介します。

設定確認の手順 「設定」アプリ ＞ 「プライバシーとセキュリティ」 ＞ 「トラッキング」

ここにある「Appからのトラッキング要求を許可」というスイッチが全体のメインスイッチになっています。

• スイッチをOFFにする： 全てのアプリに対して自動的に「拒否」と答えたことになり、ポップアップすら表示されなくなります。プライバシーを最優先したい場合はこれが一番楽です。
• スイッチをONにする： 各アプリが許可を求めてくるようになります。アプリごとに個別にオン・オフを切り替えたい場合は、こちらにしておく必要があります。

私の場合、基本的にはOFFにしていますが、後述するポイ活などの事情がある時だけONにする、という使い分けをしています。

Androidの広告ID削除と設定の手順

Androidの場合は、iPhoneとは少し勝手が違います。以前は「広告IDのリセット」が主流でしたが、Android 12以降や最新のOSでは、より強力なプライバシー保護機能が搭載されています。

設定の場所は機種によって多少異なりますが、基本的には以下の流れです。

「設定」 ＞ 「プライバシー」 ＞ 「広告」

ここで確認すべきなのが、「広告IDを削除」という項目です。これを実行すると、端末から広告IDそのものが消滅します。iPhoneでいう「トラッキング拒否」と同じか、それ以上に強力な状態になります。

注意点 広告IDを削除してしまうと、アプリ側が計測に使っているIDが取得できなくなるため、一部のアプリやポイントサイトの計測に支障が出ることがあります。

また、最近のAndroid（Android 13/14以降）では「プライバシーサンドボックス」という新しい仕組みも導入されており、「広告プライバシー」という項目から、自分の興味関心トピック（例えば「スポーツ」や「旅行」など）を自分で管理できるようにもなっています。完全に遮断するのではなく、「このジャンルの広告なら出てもいいよ」と選べるようになっているのが面白いところですね。

サイト越えトラッキングを防ぐ設定との違い

これ、本当によく混同してしまうのですが、iPhoneには「トラッキング」の設定とは別に、Safari（ブラウザ）の設定の中に「サイト越えトラッキングを防ぐ（ITP）」という項目があります。

似たような名前ですが、役割が違います。

設定名	場所	対象
トラッキング（ATT）	プライバシー設定	アプリ間のデータの紐付け（IDFA）
サイト越えトラッキングを防ぐ（ITP）	Safari設定	Webサイト間の追跡（Cookie）

「トラッキング」の設定を許可にしていても、Safariの方で「サイト越えトラッキングを防ぐ」がON（緑色）になっていると、Webサイト上の追跡情報（Cookie）が削除されてしまいます。

特に、Webブラウザを経由してサービスを利用するような場面では、このSafari側の設定も非常に重要になってきます。「アプリの設定は変えたのに、なぜかうまくいかない」という時は、大抵こちらが原因だったりします。

トラッキング許可のメリットとデメリット

では、結局のところ許可（オン）にするとどんないいことがあるのでしょうか？ 逆に拒否（オフ）にするデメリットはあるのでしょうか。私なりに整理してみました。

許可する（オン）メリット

• 自分に合った広告が出る： 全く興味のないゲームや美容商品の広告ばかり出るよりは、自分の趣味に合った情報が出たほうが便利な場合があります。
• アプリ開発者を応援できる： 無料アプリの多くは広告収益で成り立っています。適切な広告が表示されることで収益が上がり、アプリの存続やアップデートにつながります。
• ポイ活などの特典が得られる： これについては次章で詳しく解説しますが、これが最大のメリットと言えるかもしれません。

拒否する（オフ）メリット

• プライバシーが守られる： 自分の行動履歴が勝手に収集・分析されるのを防げます。「見張られている感」がなくなるのは精神的に大きいです。
• データの流出リスク軽減： データブローカーなどを通じて情報が出回るリスクを最小限に抑えられます。

このように、どちらにも一長一短があります。単純な正解はなく、「そのアプリを何のために使うか」によって使い分けるのが賢いやり方かなと思います。

ポイ活ではトラッキング拒否はオンとオフどっち？

さて、ここからが本題と言っても過言ではありません。お小遣い稼ぎとして人気の「ポイ活」において、このトラッキング設定はまさに生命線です。「オン オフ どっち」と迷っている人の多くは、ここを一番気にされているのではないでしょうか。

・ポイ活でポイントがつかない原因と必須設定
・設定がグレーアウトして変更できない対処法
・あとから設定変更しても反映されない理由
・プライバシー重視なら拒否を選ぶべき理由

ポイ活でポイントがつかない原因と必須設定

結論から言います。ポイ活でアプリ案件（ゲームをしてポイントゲットなど）に取り組む場合、トラッキング設定は絶対に「許可（オン）」でなければなりません。

なぜなら、ポイントサイトや広告主は、「広告識別子（IDFA/AAID）」を照合することで、「あなたが広告をクリックして、実際にアプリをインストールして遊んだ」という事実を確認しているからです。

もしトラッキングを「拒否（オフ）」にしていると、この識別子が渡されません。すると、どれだけ一生懸命ゲームをクリアしても、広告主側からは「このユーザーがどこから来たのか分からない」状態になり、成果として認められないのです。

ポイ活ユーザーの必須設定リスト

• iOS：「設定」＞「プライバシー」＞「トラッキング」をONにする
• iOS（Safari）：「設定」＞「Safari」＞「サイト越えトラッキングを防ぐ」をOFFにする
• Android：広告IDが存在することを確認する（削除している場合は再取得）

特にSafariの「サイト越えトラッキングを防ぐ」をOFFにし忘れるミスは非常に多いので、案件に挑む前には必ずチェックするようにしましょう。

設定がグレーアウトして変更できない対処法

「いざ設定を変更しようとしたら、スイッチがグレーになっていて押せない！」というトラブルもよくあります。これにはいくつか原因が考えられます。

主な原因は以下の通りです。

• 年齢制限： Apple IDの登録年齢が18歳未満の場合、プライバシー保護のためにトラッキング機能が制限されることがあります。
• スクリーンタイム制限： 「設定」＞「スクリーンタイム」＞「コンテンツとプライバシーの制限」の中で、変更が許可されていない場合があります。
• プロファイル設定： 学校や会社から支給された端末や、特定の構成プロファイルを入れている場合、管理側で制限されていることがあります。

特にスクリーンタイムの設定は見落としがちです。「コンテンツとプライバシーの制限」＞「広告」または「トラッキング」の項目が「許可」になっているか確認してみてください。

あとから設定変更しても反映されない理由

これは私が過去に痛い目を見た経験でもあるのですが、「アプリをインストールした後で慌ててトラッキングをONにしても、手遅れなことが多い」という事実があります。

広告の計測（アトリビューション）は、「広告をクリックした瞬間」と「アプリを初回起動した瞬間」の情報を紐付けて行われます。アプリをインストールして起動した時点でトラッキングが拒否されていると、その時点での計測データが欠落してしまいます。

後から設定をオンにしても、過去に遡って「あの時のインストールはこの人でした」と修正してくれることは稀です。

教訓 新しいポイ活案件を始める時は、アプリをダウンロードする前に必ず設定を確認するクセをつけましょう。

プライバシー重視なら拒否を選ぶべき理由

一方で、ポイ活などを全くしない、あるいは特定のアプリでしかポイ活をしないのであれば、基本的には「拒否（オフ）」にしておくのが安全です。

デジタルデータは一度出回ると完全に消去するのは難しいものです。自分の行動履歴や趣味嗜好が詳細なプロファイルとして蓄積され、それが知らない間にデータブローカーの間で取引される……というのは、あまり気持ちの良いものではありません。

特に、お子さんが使う端末や、仕事で使う端末などでは、無用なデータ収集を避けるためにも、システム全体で一括拒否設定（「Appからのトラッキング要求を許可」をオフ）にしておくのが、セキュリティの観点からも推奨される設定かなと思います。

結論：トラッキング拒否はオンとオフどっちがいい？

ここまで見てきた通り、「トラッキング拒否 オン オフ どっち」という問いへの答えは、あなたのスマホの使い方によって明確に分かれます。

【パターンA：ポイ活で稼ぎたい人】 迷わず「オン（許可）」を選んでください。ただし、不要なアプリまで全て許可する必要はありません。ポイント案件に関わるアプリだけ個別に許可するのが賢い運用です。

【パターンB：プライバシーを守りたい・ポイ活しない人】 迷わず「オフ（拒否）」を選びましょう。設定画面で一括オフにしておけば、煩わしいポップアップも出ませんし、情報の流出も防げます。

大切なのは、なんとなく設定するのではなく、「今はポイントが欲しいからオン」「このアプリには情報を渡したくないからオフ」と、自分でコントロールする意識を持つことです。この仕組みを理解して、自分にとって一番メリットのある設定を選んでみてくださいね。