夏至の候はいつまで使える?意味や例文、似た挨拶との違いを解説

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夏至の候はいつまで使える?意味や例文、似た挨拶との違いを解説

手紙やビジネスメールで時候の挨拶を使おうとした際、「夏至の候」という言葉を目にすることがあります。しかし、この夏至の候がいつまで使えるのか、正しい読み方や意味、そして具体的な使い方を正確に理解しているでしょうか。また、向暑の候や初夏の候、梅雨の候といった似た表現との違いが分からず、失敗や後悔につながることを避けたいと感じている方もいるかもしれません。さらには、全く季節の異なる陽春の候と混同してしまう可能性も考えられます。

この記事では、そうした疑問を解消するため、夏至の候の基本的な知識から、ビジネスシーンですぐに役立つ例文まで、幅広く掘り下げていきます。

記事のポイント
  • 夏至の候がいつまで使えるかの具体的な期間
  • 夏至の候の正しい意味とビジネスでの使い方
  • 「向暑の候」や「梅雨の候」など似た挨拶との違い
  • 季節感あふれる手紙を書くための知識
目次

「夏至の候」はいつまで?意味や使い方を解説

・「夏至の候」の正しい読み方
・「夏至の候」が持つ季節の意味
・夏至の候はいつまで使える?具体的な期間
・手紙やメールでの上手な使い方
・ビジネスで使える時候の挨拶の例文

「夏至の候」の正しい読み方

「夏至の候」の正しい読み方は「げしのこう」です

時候の挨拶で使われる言葉には、日常ではあまり使わない読み方をするものもありますが、「夏至」は私たちが普段使う「げし」という読み方で間違いありません。「候(こう)」は、「~の時節」や「~の季節」といった意味合いを持つ言葉で、時候の挨拶で頻繁に用いられます。

このように、言葉を分解して考えると、意味も理解しやすくなります。まずは正しい読み方をしっかりと覚えておくことが、適切な使い方への第一歩となります。

「夏至の候」が持つ季節の意味

「夏至の候」とは、一年で最も昼の時間が長くなる「夏至」の時節を表す時候の挨拶です。

二十四節気の一つである夏至は、北半球において太陽の南中高度が最も高くなる日を指します。このため、日の出から日没までの時間が最長となり、本格的な夏の到来を感じさせる季節の節目と考えられています。

この挨拶を用いることで、手紙の受け手に対して「いよいよ夏本番へと向かう季節になりましたね」という季節感を伝えることができます。単に時候を表すだけでなく、日本の豊かな四季の移ろいを相手と共有する、美しい文化的な表現の一つです。

夏至の候はいつまで使える?具体的な期間

夏至の候を使用できる期間は、夏至の日である6月21日頃から、次の二十四節気である小暑(しょうしょ)の前日、7月6日頃までです

この期間は約15日間と比較的短いため、使用するタイミングには注意が必要です。

使用期間の目安

  • 開始: 夏至の日(毎年6月21日頃)
  • 終了: 小暑の前日(毎年7月6日頃)

この期間を外れて使用することは、季節感を大切にする時候の挨拶において適切ではないとされています。例えば、6月上旬に使ってしまったり、7月中旬以降に使ってしまったりすると、受け手に違和感を与えかねません。時候の挨拶は、その時期にふさわしい言葉を選ぶことが礼儀の基本となります。

手紙やメールでの上手な使い方

「夏至の候」は、主に改まった手紙やビジネス文書で使われる漢語調の時候の挨拶です。そのため、文章の冒頭で「拝啓」などの頭語に続けて使用するのが一般的です。

基本的な構成

  1. 頭語: 拝啓
  2. 時候の挨拶: 夏至の候、
  3. 安否の挨拶: 貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  4. 主文: さて、~
  5. 結びの挨拶: (季節感のある言葉)
  6. 結語: 敬具

このように、時候の挨拶は安否の挨拶とセットで使われることが多く、季節の訪れを述べた後に相手の健康や繁栄を祝う言葉を続けると、丁寧で美しい文章の流れが生まれます。

また、カジュアルな手紙や親しい間柄の相手であれば、頭語や結語を省略し、「夏至の候、日増しに緑が濃くなる季節となりましたが、いかがお過ごしですか」のように、より柔らかな表現から書き始めることも可能です。

ビジネスで使える時候の挨拶の例文

ここでは、ビジネスシーンで実際に使える「夏至の候」を用いた例文をいくつか紹介します。状況に合わせて単語を調整することで、様々な場面で活用できます。

一般的なビジネス文書の例文

拝啓 夏至の候、貴社におかれましては、ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。 平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 (主文) 梅雨明けが待たれる時節柄、皆様のさらなるご健勝を心よりお祈り申し上げます。 敬具

個人の取引先や目上の方への例文

謹啓 夏至の候、◯◯様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 さて、先日は〜〜の件で大変お世話になり、誠にありがとうございました。 (主文) 長雨の時節柄、何卒ご自愛専一にお過ごしください。 謹白

これらの例文のように、「夏至の候」の後に続く言葉を工夫することで、相手への気遣いや季節の情景をより豊かに表現することが可能です。例えば、「日脚が最も長くなるこの頃」や「紫陽花の色が美しい季節」といった言葉を添えるのも良いでしょう。

夏至の候はいつまで使う?似た挨拶との比較

・時期が重なる「向暑の候」との違い
・6月上旬に使う「初夏の候」との比較
・梅雨の時期に使う「梅雨の候」
・時期が異なる「陽春の候」との違い

時期が重なる「向暑の候」との違い

「向暑の候(こうしょのこう)」は、「だんだんと暑さに向かう季節」という意味を持ち、6月全般にわたって使用できる汎用性の高い時候の挨拶です。

「夏至の候」が6月下旬から7月上旬というピンポイントの時期を指すのに対し、「向暑の候」は6月であれば上旬・中旬・下旬を問わずに使えます。このため、いつ手紙が相手に届くか正確に分からない場合や、6月のどの時期に送るか迷った際には、「向暑の候」を選ぶと間違いがありません。

言ってしまえば、「夏至の候」はより季節の節目を特定した表現であり、「向暑の候」はより広い期間をカバーする表現という違いがあります。どちらを使うかは、手紙を出す具体的な日付や、表現したい季節感のニュアンスによって選択するのが良いでしょう。

6月上旬に使う「初夏の候」との比較

「初夏の候(しょかのこう)」は、暦の上での夏が始まる立夏(5月5日頃)から、芒種(6月6日頃)までの期間に用いられる時候の挨拶です。

つまり、「初夏の候」は主に5月から6月上旬にかけて使われる言葉であり、「夏至の候」が使われる6月下旬とは使用時期がはっきりと異なります。6月上旬に手紙を出すのであれば「初夏の候」が適していますが、6月下旬にこの言葉を使うのは季節外れとなってしまいます。

こう考えると、6月は上旬に「初夏の候」、中旬に「梅雨の候」、下旬に「夏至の候」と、時期によって細かく時候の挨拶が移り変わっていくことが分かります。この変化を理解しておくことが、季節感を的確に表現する上で鍵となります。

梅雨の時期に使う「梅雨の候」

「梅雨の候(つゆのこう)」は、その名の通り梅雨の時期に使う時候の挨拶で、主に6月中旬から梅雨明け前にかけて用いられます。

「夏至の候」が使われる時期は、多くの地域で梅雨の真っ只中と重なります。そのため、どちらの挨拶を使うか選択することが可能です。

選択のポイントとしては、天候や伝えたいニュアンスが挙げられます。雨が降り続いている様子や、じめじめとした気候について触れたい場合は、「梅雨の候」や「長雨の候」が適しています。一方で、一年で最も日が長いという暦の上の事実に焦点を当て、夏の到来を表現したい場合は「夏至の候」がふさわしいと考えられます。

時期が異なる「陽春の候」との違い

「陽春の候(ようしゅんのこう)」は、春の陽気が満ちる季節を表す言葉で、主に4月頃に使われる時候の挨拶です。

具体的には、二十四節気の清明(4月5日頃)から穀雨(4月20日頃)の期間に用いるのが一般的で、暖かな春の日差しを感じさせる表現です。

このように、「陽春の候」は春の挨拶であり、夏の始まりを告げる「夏至の候」とは使用する季節が全く異なります。時候の挨拶を選ぶ際には、言葉の響きだけでなく、その言葉が指し示す正確な季節と期間を把握しておくことが不可欠です。

時候の挨拶主な使用時期意味・ニュアンス
夏至の候6月21日頃~7月6日頃一年で最も昼が長い時期。夏の到来。
向暑の候6月全般(上旬~下旬)次第に暑くなっていく時期。汎用性が高い。
初夏の候5月5日頃~6月6日頃夏の始まり。爽やかさを感じさせる。
梅雨の候6月中旬~梅雨明け前梅雨の時期。雨の季節感を表現する。
陽春の候4月5日頃~4月下旬頃春たけなわの時期。暖かな春を表現する。

総括:夏至の候はいつまで使える?意味や例文、似た挨拶との違いを解説

この記事では、「夏至の候」がいつまで使えるのか、その意味や使い方、そして似た時候の挨拶との違いについて詳しく解説しました。最後に、記事の重要なポイントをまとめます。

  • 夏至の候は「げしのこう」と読む
  • 一年で最も昼の時間が長くなる時節を指す時候の挨拶
  • 使用できる期間は夏至の日から約15日間
  • 具体的な日付の目安は6月21日頃から7月6日頃
  • この期間を外れての使用は避けるべき
  • 改まった手紙やビジネス文書で使われる漢語調の挨拶
  • 「拝啓」などの頭語に続けて使うのが基本
  • 「向暑の候」は6月全般に使えるより広い範囲の挨拶
  • 「初夏の候」は6月上旬までが主な使用期間
  • 「梅雨の候」は梅雨の時期に使われ夏至の候と時期が重なる
  • 天候や伝えたい情景に応じて夏至の候と梅雨の候を使い分ける
  • 「陽春の候」は春の挨拶であり季節が全く異なる
  • 時候の挨拶は日本の豊かな季節感を伝える文化
  • 正しい知識を持つことで相手に敬意を示せる
  • 言葉の意味と使用時期を正確に理解して季節感あふれる手紙を作成しよう
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